歯並びが悪くなったのは、効率だけを求める文明社会のツケと進化の末に起こった現代病 |
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歯並びが悪くなった最大の原因は食生活にあります。 |
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歯並びについて |
悪い歯並びの状態を大きく分類すると、上顎前突(出っ歯)・下顎前突(受け口)・開咬(前歯がかんでなく開いてる状態)に分けられ、それらに複合して叢生(乱ぐい(「不ぞろい」歯)があります。
学校での歯科検診では、この「乱ぐい歯」が非常に増えているようです。また、最近は子どもの顔つきが変わってきていて、あごが小さく、ほっそりした顔の子どもが増えているということです。街を歩く若者は足長で格好よく、顔も面
長でほっそり見えますが、口の中は小さくなったあごに歯が入りきらないので、当然、乱ぐい歯で歯並びが悪くなっています。
平成8年度からの学校歯科検診では、歯列・咬合(かみ合わせ)・顎関節の検診が加わるようになり、子どもたちに与える歯並びの影響が強く認識されてきました。
では、なぜ、子どもたちの歯並びが悪くなってしまったのでしょうか?
歯の数は「親知らず」を入れて全部で32本あり、縄文時代の人間から基本的には変わっていません。しかし、大きく変わっているところもあります。それは、「あごの大きさ」です。
歯並びが悪くなった最大の原因は食生活にあります。
子ども達の大好きな食べ物は、オムライス・カレーライス・ハンバーグ・アイスクリームなど、どれもあまりかまずに食べられるものばかりです。骨ごと食べられるめざしや繊維の多い根菜類は、いったい食卓にどれだけ並ぶのでしょうか?
やわらかな食べ物は口当たりもよく、あごも疲れないため、一度食べ始めるとその傾向が強くなり、ますますかまないようになってしまいます。そうするとあごの機能は退化し、かたい物は敬遠されるようになります。
今の社会環境では家族団らんで時間をかけて食事をとることがままならず、学校給食の時間でさえ十分に与えられていません。歯並びが悪くなったのは、効率だけを求める文明社会のツケと進化の末に起こった現代病といえるかもしれませんね。
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